毎月、毎週、毎日郵便ポストに入ってくる不動産チラシに書いてあることは「本当なの?」「どうしてこんなにたくさんチラシを入れんだろう?」と疑問に思っている方も多いのではないのでしょうか?
こちらでは、不動産チラシのウソホントについて事務員目線で解説
インターネット時代のチラシ
ひと昔であれば、電話帳・電柱広告・屋外看板・店頭チラシ・新聞折込広告、現地販売会などが不動産会社の集客方法でしたが、今ではネットが主流傾向にあります。
しかし、未だにチラシ広告なども多くあります。なぜなのでしょうか?
チラシの多くは実は大半が大手不動産会社です。
チラシ広告には、社名やブランドの周知が一つの目的ですので、大手不動産会社は知名度やブランドがあるのでチラシ広告などしなくてもよいのでは?と思われるでしょう。
ところが不動産所有者は高齢層中心なので、インターネット利用をしない方が、まだかなりいらっしゃるのが現状。
そして、頻繁に目にする不動産会社のチラシを見て売却依頼する方が一定層いらっしゃいます。
近年マンションのポストにチラシ投函禁止の分譲マンションが増えてますが、分譲マンションは大手不動産会社の分譲が多く、また管理会社も同系列の会社が行っているケースが多いので、同系列の仲介会社だけは管理人がチラシ投函OKにしているマンションもあります。タワーマンションなどはチラシを厳しく取り締まっているのでチラシ投函できないマンションにはダイレクトメールを送っています。
実は、郵便局やヤマト運輸、佐川急便などのサービスに、ダイレクトメールサービスがありますし、所有者名簿を作っている会社もあります。
電話番号は、分からなくても法務局の登記簿を閲覧すれば所有者は分かってしまうんです。
これらの作業をするには高額な広告費が掛かっているので中小不動産会社にはマネできません。
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【不動産売却物件求む】チラシのウソ・ホント
いわゆる購入者向けの物件広告は、景品表示法や不動産公正取引協議会の自主規制により物件概要、表示価格などについて誇大広告禁止されています。
また、おとり広告禁止について詳細に決められていますので違反広告はほとんどありません。
(それでも年間数社は、公正競争規約違反・宅建業法違反で業務停止宅建免許取り消しの制裁を受けています。)
同じく広告規制を受けますが、チラシ広告には微妙なニュアンスの売却募集チラシが多くあります。
架空の購入者がいると信じている所有者が意外と多い
大手不動産会社に多い定番パターンですが「限定で探されているお客様」という部分は信用できません。
確かに同マンション内に子供や親の住居を確保したいという居住者も稀にはいますが実際購入を検討している顧客がいるというのはほぼウソです。
なぜなら大抵の場合、同マンションに売り物件がすでにあるケースが多く、本当に購入希望のお客様がいるのなら、売りに出ている物件を紹介すれば良いはずですよね。
不動産会社が需要のある地域を中心に、手当たり次第にチラシを投函しているだけなんです。
最近は手が込んでいてチラシにマンション名を入れたり、架空の顧客を作ってストーリーを描いて如何にも本当に購入希望者がいるように見せかけます。
学区限定の購入希望のお客様はいますが、マンション限定のお客様は300組に1組いるかどうかでしょう。
次に多いのが「成約御礼チラシ」で所有者に実績アピールしているだけなんです。
「〇〇万円でご購入希望のお客様がいます」というチラシは、成約相場より2~3割以上高い価格設定にして、売却相談をもらおうという意図です。
架空の購入者を信じている所有者が意外と多く、売却査定訪問や売却の依頼を受けた所有者の方と話していると•••
上記の様な話をされる売主様が意外と多いのです。
公示地価や路線価の話をしているのかなと思っていると、投函チラシやダイレクトメールがよく来るらしく、それを信じている方もいらっしゃいます。
なぜならその手紙やチラシの送り主が、金融財閥系不動産会社(〇友不動産や〇井〇〇ウス、東〇リ〇〇ルなど)やCMなどでよく目にする大手会社さんがほとんどなんです。
大手が嘘を言うわけがないと信じている方にとって、都合の良い事は信じてしまうのかもしれません。しかも、売却依頼主には売りに出してから手紙の数が増えたとおっしゃる方も・・・
本当の相場を伝えると不機嫌になる売主様もいらっしいますが、相場より2~3割以上高ければ売れるはずもありません。
限定的なダイレクトメールや売却求むチラシを真に受けて売却依頼した後どうなるかというと、実際には限定で探している購入希望者はいないので条件が合わなかったようですなどとはぐらかされ、内覧にも来ないという事もあります。
そして後日値下げ交渉されます。
なぜ売却物件募集チラシを撒くのか?
大手不動産会社の営業担当は、会社からポスティング経費を用意されています。チラシは会社が用意して、ポスティングする人員はアルバイト募集をして、エリアを取り決めて、営業担当の指示で細かくチラシを撒いているのです。
売却チラシも広告規制の対象です。しかもポスティングによるクレームは大手不動産会社としても避けたいので、細心の注意を払いながらチラシを撒いているのです。
「物件購入のために探しているお客様がいる」のではなく、不動産会社が「物件を売りたい人」を探しているのです。
物件を売却する売主さんと専任契約を結べば、悪くても片手手数料(3%+6万)の仲介手数料が稼げます。あわよくば両手仲介手数料(6%+12万)の売上になるからなのです。
売却募集チラシは、売却物件集めの一つの手段ですが、広告経費をかなり掛けても行っているのは、それなりに集客できるからなのです。
ですが、中小不動産会社や地域密着不動産会社もチラシ広告は行っていますが、架空の購入者や高値購入者などの記載はしません。
チラシ投函禁止マンションやチラシ禁止世帯には投函しませんし、主に会社認知を目的に会社から半径800m以内に限定してのチラシです。地域密着不動産会社の広告スタイルです。
【まとめ】
不動産チラシのウソとホントについて、インターネット時代のチラシ広告の効果や大手不動産会社のチラシ広告の特徴、売却求むチラシの実態、チラシを撒く理由などが解説しました。
大手不動産会社は、広告費をかけてチラシを撒き、売却を促す広告には微妙なニュアンスが多く、架空の購入者や高値設定が見られることがあります。
ですが、中小不動産会社や地域密着不動産会社もチラシ広告を行っていますが、ターゲット層を絞って広告をしているので広告にひとつひとつこだわって作成しているケースが多いので気になる物件があればじっくり見てみてくださいね。
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